修行日記/2007.4


4/25/そーそーそーそー

今、かなり気になっているのだが、人との会話に「そーそーそーそー」が多いなぁ・・と思う。
仕事の打ち合わせでも、友人との会話でも、そしてテレビの中の人々の会話でも、耳にツーーンと響くのが「そーそーそーそー」なのだ。
私だけかな、気になっているのは・・・・。
夫(親方)に話してみたら、「うん、なるほどそう言えばそうだね」と、納得した。

自分の言葉に、相手が頷きながら「そーそーそーそー」と言ってくれるのは嫌な感じではない。
それに親しげな雰囲気も作ってくれるし、便利な言い回しだと思う。
でも、使う人が多すぎて、気になるのだ。

少し前は、語尾上げの口調が気になっていたが、今は少し落ち着いたみたいでホッとしている。
日本語に限らないだろうが、流れる時代の言葉の変化を追うのも面白いな。

日曜日、東京で営業マンをしている次男から久し振りに連絡があった。
学生時代は金欠病にかかると電話が入ったが、最近ではそれもなくなった。
何事か、と思ったら、サッカーの試合でヘディングに行ったら相手チームのメンバーの後頭部に激突し、
目の下の骨を骨折し、明日、手術するかもしれないと言う。
なんてこった・・
その日は消防の大会があり、我ら5分団はトミが出場した小型ポンプで優勝し、祝い酒気分だったのに・・

そして次の日上京した。
ずっと何年もほったらかしの次男だったけど、今回は心配だった。
新橋の駅で出口の方向を間違え、しかもメガネを忘れたので表示や看板がぼやけたまま、なんとか慈恵医大にたどり着いた。
都会の緑を眺めてみれば、どの植木も奇麗に剪定されていて、お金をかけているなあと、思った。
そして、案内係のお姉さんに調べてもらい、眼科で検査をしている息子と漸く対面できた。
顔の半分が腫れていて、ケンカした若造・・にしか見えない。
「へへーっ、顔半分がコブクロのデカイ人に似てるよ」
ぷーっと笑って、「笑うと痛いのっ!」
と言った後、「かあちゃん、白髪が増えたね」と。

結果、眼科と耳鼻科であれこれ検査をし、少し様子を見てから手術をするかどうか決定する、とのこと。
視力や顔の神経が心配だけど、お医者サマを信じる事にしよう。
病院を出ると、外はもう暗く、会社帰りのサラリーマンがたくさんいた。
よくテレビで見る光景だ。
その流れに乗って焼き鳥屋に入り、軽くお腹を満たした。
会社の事や、伊東の事、話は尽きない。
そして息子の口からも「そーそーそーそー」が何度も出たのだった。

庭に、好きな花が咲くと嬉しい。ティアレアとラベンダー2種。




4/13/伝授



殺伐とした事務所の片隅に庭のクリスマスローズを生けた。
チラッと横を見ると目に入る位置だから、シアワセ気分。



先月から、一件の庭造りを進めながら、剪定などの管理をまわり、相変わらず忙しい毎日だ。
そして、間違いなく、老化が進む毎日だ。
頭の命令が体に上手く伝わらない。
膝や腰をかばうので動きが鈍い。
昨日、ある旅館の庭で、池を囲む石積みに登った途端、ズルッとこけた。

左太腿に見事なアザができたけれど、そのまま池に落ちなくて良かった・・

親方も最近、ほんの時々、小さな弱音を吐く。
その分、bQが少しずつではあるがイッチョマエに近づいているので、
戦力的な合計の数字は、変わらずにすんでいるのだ。
これから先も、爺さん婆さんのペアーをカバーしてくれるかなぁ・・。

先日、15mほどのヒノキを23本伐採した。
今年の初め、NHKで「空師」を取り上げていた事を思い出した。
うちのしている事と大して変わりはないのだが、この辺りでは敢えてそんな呼び方はしない。

頭の枝を全て落とし、裸の幹が立った状態になるまでが、かなりハラハラ状態だ。
場所が良ければ6m程残っていてもそのままバタンと倒すが、危険な場合は小刻みに上から切ってくる。
私はもっぱら地面でロープ係を担当しているワケだが、バタン作戦の時のロープ引きは、快感だ。
枝と言っても、かなりの重さがあるから、「空師」に向かって来る時もあり、ロープ係の責任も大きい。
でも、やはり、高い位置で作業する「空師」が主役なのだ。

並んで梯子を掛け、同じ高さで作業し、親方はbQを横目で見ながら時々、ひと言ふた言、言う。
なるべく、自分で考えさせる。

技術と度胸は経験から作られるのだと、しみじみ思う。

途中、施主さんの知り合いが、4mくらいの丸太を欲しいと言った。
簡単に運べるのだと思ったらしい。
結局何本かを2mほどに切り分けたが、それでも人力で運ぶのは難しそうだ。
スツール程度の大きさでも、ヨッコラショな重さなのだ。

生木は重い。
高さ15mは怖くて危険。
そういう事を、外へ向かって口に出さないのが、プロなのだ。
bQへ、親方は無言のまま、そう言っている。

内に秘めるものが多いほど、プロとして自信のある証拠だ。

なんちゃって・・

ひと事ふた言・・ 怖いけど・・