☆ビオトープ
伊東市立旭小学校は素晴らしい自然環境に恵まれた小学校だ。
学校敷地内に「旭山」を有し、ミカン畑、茶畑などがある。
いつでもその場で自然観察ができる。
ひと昔前、遊具の設置工事や、歩道の整備工事を請け負い、
現在も畑の管理をさせて頂いて、何かと縁のある学校だ。
給食室の窓から見える藤棚の下に、水のなくなった四角いカラの池があった。
去年、水を入れ、草を植え、「ビオトープ」らしきものをスタートさせたそうだ。
私は生態系をヒトの力で作る「ビオトープ」について、、
学びたい意欲が湧き上がっていた時期があったが、
あれこれ調べるうちに、少し落胆し、
私の中から意欲が消えてしまっていた。
旭小の四角い池に水を張って一年足らずで、
トンボが来て、モリアオガエルが卵を産み、タガメが泳いだそうだ。
その話を聞いた時、何か手伝う事はないものか、
と、お節介な気持ちと前の意欲が湧いてきた。
予算に余裕のある好景気の時代なら、
教育委員会と市とで、話はすぐにまとまったに違いない。
しかし、盛り上がるのは先生と生徒と父兄だけ。
そして、我らお節介者の登場となった。
第二の池を作る事になり、
簡単なアドバイスと、ユンボを使っての穴掘り、
防水シートの手配などを手伝う事になった。
お節介者がお手伝いするのだから、
契約書も施工計画書もない。
でも、感じる責任は同じだ。
位置と深さを考えながら、設計図のない穴掘り工事。
初めて取り寄せるベントナイトシート「ローマットHDB」。
うーん、ふあん。
とりあえず、穴、完成。
シート注文。
しかし、この新製品のシート、盛り土の厚さが30cm必要だった。
ふあん、的中。
深さが足りず、それからは子供たちと力持ちの先生たちで、
空いた時間にスコップで手掘りすることになってしまった。
モリアオガエルの卵。 | ヤゴからトンボに変身。まだ羽が弱々しい。 |
芝生をはがして、掘削開始。 | これでOKと思ったのに・・。 |
たっぷりの予算の中で、立派なビオトープ池を作るより、
試行錯誤、スッタモンダの中で、少しずつ出来上がって行く事の方が、
かえって良かったのだ、と、思う・・。
ベントナイトシートを貼り、土を入れる時が待ち遠しい。
水を入れて、涙を流して拍手するのも、更に待ち遠しい。
そして、そこに何が生きるのか、楽しみだ。
本当の完成は、ずっとずっと先でいいのだ。