12月?日/ラストスパート
うっとり素敵で大好きな秋は、挨拶もせずに去ってしまい、悲しい気分。
そして、今年もまた、12月がドカドカとやってきた。
手入れ、手入れ、手入れ、と、こだまのように、手入れが続く。
今年も、助っ人職人を頼むことはなく、うちわの人数で乗り切る。
閉鎖されてしまった保養所を横目で見ながら、ダンプに揺られ現場へ急ぐ。
とほん、だね。
朝の弁当作りから始まる「食」のことがなければ、現場仕事はもっと楽しい。
その日の夕食が済むと、次の日の夕食の支度をするという、へんてこな時間割の日々。
ついでに、どろんこの仕事着の洗濯がなければ、もっと、もっと楽しい。
犬の毛が舞うじゅうたんの掃除がなければ、もっと、もっと、もっと楽しい。
現場をまわりながら、赤い実が目につく。
鳥たちが忙しそうに食べに来る。
簡単な食事で良いなぁ。美味しいか?
人間もこんな食事ならいいのにな。
今日は現場で腹いっぱい木の実を食べて来たから、水だけ飲もう。とか。
「今日はペディグリィチャムよ」でもいな。
特別にカップ2杯ずつね。とか、な。
とにもかくにもラストスパート突入だから、
人間の食物をしっかり食べてがんばろっと。
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