日々のこと/2003.8.その2


あと3点


お盆に降り続いた雨でJR伊東線が2日半運休し、
一碧湖の水位が上がり、道路が水没した。
お盆の連休中はぐっすり眠れる涼しい夜が続いた。

8月終盤は、無感地震の後に震度6の余震が襲ったかのよう。
本来の暑さがなかったのに、「残暑」と呼ぶのはヘンだな。

お盆が終わり残暑が厳しくなった頃、ある保養所の草刈、枝払いにかかった。
見積では○○人工(にんく)で終わるはずの作業が、
草刈機とチェーンソーとカマを駆使し、
シーシーハーハー黙々と動き、○○+6人工かかった。
予想以上に手ごわい傾斜地だった。
まっいいか。

たまたま現場の隣が友人宅で、毎日差し入れをしてもらった。
「ハルーッ」と遠くから呼ぶ声がして、冷たい飲み物やパンなどを持ってきてくれた。
「暑いから気をつけてね」などと優しい言葉が嬉しかった。
ふわっと疲れが癒えるからフシギだ。
優しくされると、自分も誰かに優しくしたくなる。
ヒトっていいな。

斜面に張り付きながらまるけた枝や草が、ざっと200束。
2トンダンプで7回運んだ。
最後の束をダンプに載せた時の解放感がスッキリと美味しかった。

そんな最中、「福祉住環境コーディネーター2級」の試験結果が送られてきた。
6月に行なわれた商工会議所主催の試験で、ちょいと受験したのだ。
70点の合格点にあと3点足りなかった。涙。ぐすっ。
合格率は19.8%だった。
庭のバリアフリーを思い描いていたら、受けてみようという気になったのだが、
本を開いてみれば、知らない言葉ばかりが並んでいた。
やっと覚えた数字は翌日には忘れていた。
宅建や造園施工管理を受験した時よりも脳の老化が進んだと、実感した。
しかも、仕事と家事で私には時間がない。
以上、3点足りなかった言い訳。へへ。
でも、障害を持つ人たちが暮らしやすい環境が、障害や病気によりそれぞれ違う事を知り、
自立支援についての正しい考え方、福祉に対する世の中の流れ等、
今まで素通りしてきてしまった事を吸収できて、良かったと思っている。
そして何より、今の健康を感謝し、未来の健康を祈る気分になった。

「あと3点かぁ、次は受かるってことだよ」と、言ってくれた親方。
「俺が皿を洗ってやるから、頑張れよ」とは、言わない。
仮面のフーフ。

親方が皿洗いをして、もう一度受験するかどうかは別にして、
もっと深く知らなくてはいけない、と気分は高ぶる。
知りたい事もやりたい事も年々増える一方だな。

ボケの細い枝に似合わない不恰好な実を見て、
ほどほどに無理してみなよ、と、自分に言うのだ。