日々のこと/2003.10


サザンカ

今年の夏頃、葉が落ちて坊主になったサザンカをあちこちで見かけた。
初めは「うわっ、チャドクガだぁ・・」と近寄らなかったが、
茶色に変色した葉がバラバラと落ちている状態は、
新芽が芽吹く頃に古い葉が落ちるのと似ていた。
ケムシの仕業ではない。
隣の木はピンピン元気なのに、異様な感じ。
この夏の日照不足も影響しているかもしれないが、何かの病気に違いない。
サザンカの病気は、葉が膨れてくる「モチ病」が知られているけど、これは全然違う。
初期に葉をじっくり見ておけば良かったのに、
チャドクガだと思っていたから、近くで見るなんて、できなかった。ううー、後悔。
落ちた葉は茶色く、所々に濃い色が混じっているようにも見える。
多分「炭そ病」やウィルスなどの種類だろうけど・・・。
何種類かの病気が混ざっているんだと思う。
でも、今月に入って気がつけば、丸坊主の枝から新芽が吹いているのを何箇所か確認した。
今、季節は何?
おいらは何の木?
と、ボケちゃったみたい。
しっかりしろよお・・。でも、生きているみたいで良かった。
とりあえず、今月の殺虫剤散布に殺菌剤を混ぜてみた。
何が効くのか解からないから、まず、手持ちの殺菌剤から「エムダイファー」をチョイス。
仲間の植木屋に聞いてみたら、枯れ死した木もあるらしい。
寒くなる前に何度か散布してみて、様子を見ていよう。

伊豆高原K邸
↑8月の様子(葉がほとんど落ちた) ↑10月の様子(新芽が芽吹いてきた) ↑ズーム(元気な葉と病気の葉)


いくつもカーブを曲がり、峠を越えてヒノキ林をくねくね走ると間もなく最初の家の赤い屋根が見える。
田んぼの間を通り、いつものイヌが寝転んでいるのをチラと見てホッとする。
好きな季節の好きな色の景色を眺めながら、運転するのは楽しい。
1人きりになれる宝の時間。
現場に着くと、先発隊の2人がダンプから道具を下ろしている。
宝の時間は終わり。
周りを山林に囲まれた人けのない別荘の広い広い庭。
何箇所か地面が耕したようになっていた。
きっとイノシシだ・・。
3人でフカフカになった地面を歩いて、顔を見合す。
イップクの時、木々をかき分けて周りのヤマに入ってみる。
親方は山芋のツルをたどり、私はアケビのツルを引っ張り、トミはムカゴを拾い、
それぞれ嬉々と秋の中を動く。
自然に任せ切りの、庭にはない良さを満喫し、そして再び庭に入る。
整えた庭に、赤い実が綺麗だ。
元気なサザンカが、早くもピンクの花びらをクシュクシュ開いていた。
イノシシは庭とヤマの違いが解っただろうか。
私は時どき、解らなくなる。
その曖昧な境界線が好きな時、解からなくなる。

中伊豆N邸
↑咲き出したサザンカ2種
↑マユミ ↑カマツカ(ウシゴロシ)