修行日記/2005.9.25


大人の庭と田舎暮らし

9月に入ってからも、真夏日と熱帯夜が続き、体がヒートヒートした。
有難い事に仕事は次々忙しい。
景気が軽く回復したのか、貧富の差が広がったのか、よく解からないが、
忙しいのに、苦しいという事は、後者の可能性あり、かな。
そんな最中、親方が所用で3日間留守となる事になり、
その間、トミと私も現場は休みにしてしまった。♪
亭主元気で留守だもの、息を抜かなくちゃ・・・。
「うち来る?」
「うん、行く行く。」
久しぶりに神奈川県で暮らす友達Kに連絡する。。
「あたいのベッド、貸してあげっからね」
「うん、楽しみ〜」
と、メールのやりとりでその日を待つ。
友達を泊めるなんて、結婚して初めての事だ。
泊まるのは、Kだけだが、結局友人6人が集まり、居酒屋で夕食をした後、
ワイワイ歩いて我が家まで来る。
そのまま夜更けまで「宅飲み」し、盛り上がった。
今はそれぞれの道を行く同級生が、昔の照れる話題でシワクチャ顔で笑いあう。
皆が帰り、静かになった部屋で、ポツリ、
「老後は伊東で暮らしたい。」というK。
「庭で花を育てて、ノンビリしたい。」
うんうん。
いいね。
帰っておいで。
一緒にボケようよ。
物件、探しておくから。
それまで、あたいも、頑張るからさ。
あれこれ言おうとしたら、Kのイビキが始まった。

Kのような思いを抱きながら、都会で働き続け、
やがて定年を迎え、伊豆で第二の人生を送るご夫婦は多い。
自然に囲まれたプチ田舎暮らしが、人気のようだ。
2007年に、定年を迎える数がピークになるそうだ。
リゾート地の空き地が埋まり、田舎のプチ活性化が図れれば良いのだが。。。

6月半ば、クリスマスローズとバラを楽しめる庭造りの依頼を受けた。
名古屋から離れ、定年後の田舎暮らしをスタートさせるご夫婦の新天地は伊豆修善寺。
ご希望の内容を伺い、提案と見積にとりかかる。

「雑木たちの移ろいの中で、季節を楽しむ大人の庭」と、とりあえずキャッチコピーを書く。
文字や絵は、私の仕事の中のほんの些細な事。
やはり、施工に力を入れるのが主義だから、文字や絵で飾りたくない。
とは言え、すべてのスタートはここだから、慎重に丁寧に・・・。
他社の提案や金額も気になったが、まずはOKのお返事を頂き、小さくガッツポーズ。

7月に着工した後、、間をおいて、少しずつ進め、後は、裏手の植栽等を残すのみ。



修善寺A邸

現存樹の殆どを伐採した土地なので、
雑木中心の植栽で自然を取り戻します。


奥様はコットンやシルクを巧みに用いて
手作りの服を楽しんでおられます。
植栽作業の合い間にも、
2階からミシンの音が聞こえてきます。
ご主人はハムやパン作りをなさいます。
時間がゆっくり流れるから、
手作りを楽しむには田舎暮らしが似合います。


施工前


施工後
→ 
↑デッキの前にコナラ、手前にヤマボウシ株立ち
↓道路側はシマトネリコ株立ちとアラカシ


↓玄関右側 ヤマボウシ株立ち、ヤマモミジ、アラカシ植栽
↑カーポート上の斜面を修正
丸太の柵をデザイン。  
柵の後ろにオリーブを植栽。
↑横斜面の修正 ブロック積み、シラカシ等植栽
↑北側境界の目隠し
  シラカシ、ソヨゴ、シマトネリコ、ネズミモチ、モッコク植栽

◎木製の倉庫 ◎コナラやヤマボウシの根元にクリスマスローズ ◎門扉も大人のイメージ
         


◎門扉の穴あけ ◎支柱工