2001年☆☆日々のこと☆☆


1月6日/にわごころとにわごろごろ

テニスは意地悪なのに楽しいスポーツだ。
楽しいから、続けたい。
テニスの中毒症状がでているおじさん、おばさんは多い。
ボッコンポッコンとラリーが続き、
サーブを覚えボレーを知ったころは大抵中毒になっている。
私もかつて、中毒になりかかった。
「PTAの集まり」とかミエミエの嘘をついては、
平日の昼間のテニスコートで、
「えいっ。」「それぇー。」なんてやったものだ。
でもね、「これでいいのか?」と、自責の念にかられるのが、
帰り道にすれ違ういろんな「働く車」を見た時。
「ああ、みんな働いてたんだよなぁ。」と、現実に戻ってしまう。
同じ時間を費やすなら、「植木屋修行」に費やしたほうが、
いろんな面でプラスだな・・・、と。
ま、いろいろ考え、
今は年に数回のテニスを心から楽しんでいる。
こんな私でも、気持ち良く仲間に入れてくれる中毒患者のおばさん達・・・。
感謝、感謝、ぐすっ。ありがとよぉ。

わが石田造園、毎年カレンダーをお客様に差し上げている。
可愛らしいお花のデザインのものに変えて、4年目。
それまでは、「池と鯉」がテーマのものだった。
今年のは、社名の下にホームページのURLも載せて、
照れくさいながらも、ちょっと、「へへへ。」の思い。
今日のテニスの仲間にも使ってもらおうと、何本か持っていった。
広げて見た一人が、
「あらぁ、ホームページ!」と・・。
私は「へへへ。」の思い。
でも、「へへへ。」はそれで終わり。
「にわ、ごろ、ごろ・・?」
「いやだぁ、にわ、ごころ、よぉ。」
「あら、だって、ほら。」
がががぁぁ〜ん。がびぃぃぃ〜ん。
あんなに校正に気をつけたつもりが、
長ーーいアルファベットの並んだ後ろに、
すました日本語で(にわごろごろ/石田造園)と書いてある!
庭がごろごろころがって、どうすんだい。
こころ、なの。にわの。
ああ、あ、今世紀第一発目のドジ。ミスショット。ダブルフォルト。

「へへへ。」の罰だな。
ちょっぴり思い上がってたんだな。
調子にのっちゃって、注意力が欠けたのよ。
一応自分を責め、
ま、いいか、と、即、立ち直り、
あたりが暗くなり黄色いボールが見えなくなるまで、
アウトとネットを繰り返して楽しんだ。
テニスは人を立ち直らせるスポーツですよ。


1月17日/土の入れ替え

4年程前に植栽したサザンカの葉の色が変色し元気がなく、どうも土が気になる、
という連絡を受け、親方、出動。(レスキュー隊)
コンクリートで作られた植栽スペースの中に、
「土」ではなく、「軽石」(洋ラン等の鉢物でよく見かける。)で列植され、
そしてなぜか、重い「ごろた石」が上に並んでいる。
葉は緑色を失い、赤茶色に近かった。花はやや付いている。
明らかに窒素不足。いや、栄養失調。「助けてぇ」状態。
屋上庭園じゃないし、軽石だけ使うというには、
植えた業者さん(もしくはデザイナーさん)が何か特別な考えがあり、
私の知らない技法を心得ているのか・・・。と、少し心配したが、
単に「軽いから」という理由らしかった。ほっ。
高台のため風で「軽石」が飛ぶので後から「ごろた石」を並べたらしい。
これで「軽いから」という意味は消えた。

サザンカを救うべく、土壌の入れ替え作業が始まった。(レスキュー隊)

まず、ごろた石を取り除き、サザンカを掘り取る。
隙間だらけの中で生きてきた根は、どこへでも伸びたいだけ伸び、
ひょろひょろで白くて、「横浜中華ちぢれ麺」みたい。
一生懸命伸びても、水耕栽培のカイワレみたいな生活だっただろうな。
土じゃないから、スコップの入り方もジャキッという感じ。
取った「軽石」を袋に詰め、運び出す。
階段ばかりなので全て人力で運ぶ。軽石でも重いのだ。
幅50cm全長10m程のスペースを空にする。

ダンプに軽く一杯分の黒土を当社秘密基地から運び、
バケツに分け、再び人力で運び上げる。
人力での作業は大好きではないが、嫌いではない。
しばらく動くと体の真ん中から脂肪がひ〜ひ〜と燃え、
外側から固い締まった肉が付いて行く。
時々「ムッキン」という音がする。うそ。
でも、いくらがんばっても運ぶ量は殿方には負けてしまう。
めっちゃ口惜しいですぅ。
適量を運んだら、鶏糞入りの土壌改良剤をまぜまぜする。
この土壌改良剤、公共事業では設計書通りの数を入れるから、証拠写真を撮る。
何十袋もの土壌改良剤を並べたものと、
混入しているところと、
使いおわった空き袋を並べたもの。
でも、設計書通りだと多すぎて、土が何も入らなくなっちゃうこともあって、
そんな時は、×××××××××・・・・・。
今回は7袋使用。いい感じの適量。(1袋20kgです。)

そして、ブルブル震えて待っているサザンカを植える。
いつものように丸太を打ち込み、竹を打ち、
穴を掘り、植え、水を入れ、縛り、ならし、仕上げる。
今回はご主人の希望で表面に小粒の白い砂利を化粧に敷く。
土におさまったサザンカが、
「あ〜らら、何これ、随分暖かいし、美味しいじゃない。」
と、言ったかどうかはわからないけど、
ほっとしている事は間違いない。
これまで吸おうとしても直ぐに流れてしまった栄養が、
今度はゆっくりじっくり吸えるからね。

並んだサザンカを眺めれば、な〜んかいい気分。
嬉しい仕事は、疲れ知らず。筋肉痛もなんのその。

(前と後の写真はこちら)