日々のこと☆2001,2


2月?日/人力仕事続編

造園工事で竣工時の完成度を上げるために、
化粧砂利を敷いたり、マルチングと称してチップを撒き散らしたり、
ひたすら表土を隠すことがよくある。
水分の確保、雑草の発芽予防、という目的もあるが、
大抵の目的は、「美観」(その時の見た目)ということか。
・・・なあんて、生意気コキ始めてみましたが、続かない。
立派な造園家やかっこいいデザイナーさんにはなれそうもない。
最近は、木や草花の成長するにしたがい、
土にかえっていくようなマルチング材もあるようで、
これなら良いと思うけど、私は、むき出しの土が一番良いと思っている。
植える時に間隔をあけるのは当たり前で、段々成長する中で、
雑草をとったり水をあげたりしながら、かっこよくなるのを楽みたいと思うのだ。
もちろん、木のため人のため必要なお化粧はしなくてはならない。

さて、(←これ、便利な日本語。とりあえず、それはおいといて、も便利。)
まわりが雑草地帯だと、いくら自分の敷地ばかりきれいにしても、
飛んで来る種と、這って来る根と、戦いきれなくなる。
そこで、 植栽スペース以外の地面に、
除草シートを敷き詰めて、上からスコリヤと玉砂利を敷いたお宅。(他社施工)
しばらく雑草は生えず、快適だったが、ここでモンダイ発生。
この時点でお呼びがかかるのは、とても良い勉強になる。
そして信頼して頂き、有り難い気持ちでいっぱいだ。
何がモンダイかというと、「玉砂利」だった。
名前は分からないが五色の4分ほどの玉砂利で、なるほど見た目には「キレイ」。
これが、人が歩くと、うるさいのだ。
ヌキアシサシアシの不法侵入者に気付くのは早いが、気は休まらない。
そこで「スコリア(赤)だけにしたい。」と、なった。
がってんだ。
スコリアと玉砂利が混合された箇所すべて、ジョレンおよび角スコにてかき集める。
スコップにてフルイに入れ、コロの上でじゃじゃー、と、スコリアだけ落とす。
(フルイは砂利の大きさに合わせて親方が制作。なかなかの出来。)
波の効果音を出す裏方さんのよう。飽きてくるまでは、楽しかった。
残った玉砂利をひとまずあける。
これを繰り返し、砂利だけを運びだし、スコリアを足す。
人力続編。
レーキでならし、平らにする。転圧はなし。
歩いてみると、じっじっと、静かな音だ。
仕上がって見ると、建物との色のバランスがとてもいい感じ。
こういう色のバランスだって、大事なことなのだ。

「こんなお庭にしたいなぁ」と、思っても、
写真や絵だけでは解からないことが多々あるわけで、
やってみれば、屋内では想像もつかない事が多々あるわけで、
そこに立ってみると見えて来るものもあるわけで、
「完璧」に近づくのには、ずっと修行と勉強なのだ。

とりあえず、前と後の写真。お時間あったらどうぞ。
(写りが良くないです。)


2月?日/ミカンの葉っぱ

雑誌でいろんなデザイナーさんの造った庭を見るのは楽しい。
いつもは無口で本心をあまり語らない親方が、
「こんなところに、こんな石を使うのはおかしい。
これじゃあ、滑って転ぶことになる。」などなど、
辛口になるから余計に楽しい。
「いいぞ、いいぞ。もっと、もっと。」と、けしかけて、
あれこれ聞き出そうとするけど、すぐスイッチが切れる。
私はつい、施工法を中心に見るからと、
固有名詞を覚えようとしないタチからとで、
「名前」をとばして読んでしまうが、
「あらら、この方の作品だったんだあ。」と、
ネットで見かけた名前を見つけて、びっくり。
庭もモノも、
ブランド、作者の名前、機能性、芸術性、耐久性、など、
選ぶ基準は、人それぞれだけど、
私は庭を造る手伝いとして技術と経験(と筋力)を提供し、
住む人がそこに芸術性をプラスするのもいいなあ、と、思う。
自分のセンスに自信がないってことか・・。(ち、が、う。)
「眺める庭」より、「入る庭」が好きだからかなあ。ま、いいや。

ミカンの剪定はハサミだけでするのが、基本。
と、書いた「今月の庭」を見た人ではない人から、かなり偶然に、
ミカンの仕事がきた。芸術は関係ないので安心。(^-^)
モトハタ(もと畑の略)を半分庭にしている別荘で、
残り半分にハッサクの木が10本ほどあり、数年手を入れていないので、
何とかならないか、とのこと。
10本が仲良く一列に並んでいて、見事に何もしていない。
夏は草ボーボーでさぞかしすごい事だったろう。
枯れたつるが枝に絡み付き、込み合った枝でごたごたしている。
3〜4mの木に、かろうじて黄色い実がいくつか付いている。
来年の収穫は無視してよいというので、荒療治をした。
ついでのサービスに庭に植えてあるアマナツも剪定。
結果、発生した枝のごみは4t車軽く一杯。
ミカンの枝は、油っぽいから、よく燃えるだろうなあ、と、
「再利用」を考えたけど、アイデア浮かばず。

モト百(もとお百姓さん)らしきおばあさんが散歩していて声をかけてきた。
「コヤシもくれないだから、だめさね。」
「これからは、可愛がるから大丈夫だよ。」

いっぷくの時、葉っぱを観察。
ハッサクの葉っぱは、「親子」になっていて、
上に親の葉、その下にハート型の子どもの葉が並んでついている。
アマナツには、小さいのが付いている。
この葉っぱの形で種類を見分けることができる。
(この「子どもの葉」は、「翼葉」という。)
知っているだけ書きます。(ミスもあるかも)
とても大きな子どもが付いているもの。ユズ、スダチ、カボス、
大きな子どもが付いているもの。ライム、ザボン、ブンタン、ハッサク、
小さな子どもが付いているもの。ダイダイ、夏ミカン、ネーブル、
とても小さい子どもがついているもの。温州、紀州、ポンカン、

荒療治をしたハッサク、どんな花のつきかたをするんだろう。
時々面倒を見る事になったから(「コヤシ」もくれるでよ)ヨロシク。