日々のこと/5月


5月?日/発芽を待つのもガーデニングなり

「メが出ない」のは私だけでいいのに、
な〜んと、蒔いた種まで「芽が出ない」のだ。
種から花を育てるのはワクワクした楽しみがあり、
発芽した芽には命名したくなり、
見事に咲いてくれると、イヌに「伏せ」を教えたような充実感がある。
まだ小さな芽を一本ずつ、そーっとポットに植え替えるのとか、
そんな作業が頭をカラにしてくれる。(もともとカラに近いけど)
限られた花のスペースだから、あれもこれもというわけには行かず、
去年豪華に次々咲いてくれた「ペチュニアモーンミックス」は迷わずチョイス。
それよりやや背の高い「ルドベキア」と「ダールベルグデージー」を迷いに迷ってチョチョイス。
ところが、ペチュニアの芽が待てど待てど発芽しない。
毎日、真ん丸い顔が、じーっと覗き込むからかなあ。
濡れた黒い土の上にちーーさい緑色を探すのは、
秘密の楽しみで、ついつい毎日覗き込んでしまう。
きっと、そのせいだ。
それとも、去年は濡れた新聞紙をかぶせたのに、今年は手抜きしたからかなあ。
となりのルドベキアとダールベルグは、発芽してるのに。
あ、今年は寒かったからだあ。うん、きっとそう。
セメントをこねるフネに種まき用の平箱をセットして下から水を吸わせているけど、
わずかに残ったセメントが溶けて水がアルカリ性になったのかなあ。
ああ、心配。早く発芽しておくれ。
ともかく覗き込むのをやめて、濡れた新聞紙をかけ、フネをとりかえよっと。

この時期、チューリップが「ワタシ、もうダメ」としおれて来ると、
とたんに花壇の邪魔物になってしまう。
せっかく、まだまだパンジーはがんばっていて、他の花達が咲きはじめたからと、
球根ごとスッパと、抜いて捨てちゃうのならモンダイないけど、
横から子球がポコポコ出ている生きた球根を捨てるのは可哀相だ、という人は、
そのまま葉っぱが黄色くなってしおれ切るまで待つしかない。
可哀相だけど、汚いのもいやだ、という人は、(これはつまり私のことだけど、)
チューリップだけ花壇のスペースにあった大きさのコンテナ深めのハチに植えて、
他の花達でコンテナが隠れるように置くと、すごく好都合なのだ。
棒(茎)だけツンツンしてきたチューリップをそっと蔭の方へ隠してあげて、
思う存分、葉っぱが黄色くなるまで待ってあげられる。
そしてゆったり余裕で、球根を掘りあげられる。
去年挿し芽で増やしたブルーデージーは今、すごい勢いで成長している。
大好きな花のひとつだけど、冬に暖かいところに避難させやすいから、
これも私はハチに入れている。

あちこち移動したり植え替えたりも、楽し。
そしてワクワク発芽を待つのもガーデニングなり。

ナイショ話☆☆手入れをする植木の近くが花だらけ、コンテナだらけ、というのは、
「植木屋さん泣かせ」でして、脚立や梯子を立てる時、切った枝を集める時、途方にくれちゃうのです。


5月?日/ツルバラ♪☆アンジェラ☆♪

心配していたペチュニアの芽もめでたく発芽し、
「こいつぁ、縁起がいいや」と、喜び後半突入。

5月27日まで「しずおか緑・花・祭」というイベントが開催されていて、
(イベントとおべんとを間違える人がいるらしい。)
親方とトミが視察(ヒマつぶしとも言う)に行った。
私は鬼のいぬ間に静かな自由を満喫。
午後、「おかあの欲しかったバラは何だっけ?」と、子鬼から電話があり、
「私のように可愛い可憐なピンクの『アンジェラ』っつー、ツルバラです。」と、
伝えた。
夕方、子鬼が「アンジェラ」の苗木を抱えて帰ってきた。
おまけに鉢物の白いバラも(名前は忘れた、とさ)買ってきた。
おかあは、感激。
さっそく植えるスペースを考えたが、灯篭を動かすには重機がいるし、
結局、鉢植えで楽しむことにした。
大事にしまっていた陶器の鉢が深さもあり(40p)ちょうど良かった。
下の方には油粕の肥料を入れて、♪鼻歌♪と一緒に植え込む。
支柱で支えて、出来上がり。
ちょいと失礼しますよぉ、と、サツキの鉢物を脇に追いやり、
まだヒョロヒョロのアンジェラちゃんを置く。
♪鼻歌♪は止まらず、2〜3歩下がり眺め、もう2歩下がりサツキにぶつかりコケる。
でもその艶やかな細い茎を見れば、連想するのはアブラムシやハダニや病気だ。
病害虫から守り、立派なバラに育てるのは大変だろーなー。

新芽の季節は冬の間気が付かなかった木の病気に気付いたり、
虫たちが動き出したり、雑草が勢い良く伸び出したり、と、
いろんな薬剤散布に忙しい。
噴霧器大活躍。
現在の出動ランキング一位は、もち病かなあ。
もち病は葉っぱが厚くなって、耳たぶみたいになり、
膨らみ切るとムシの卵みたいになり、まわりに白い粉(胞子)を付け、伝染する。
ツツジ、サツキ、サザンカ、ツバキによく見られる。
毒性が強いらしいが、まだ、そんな葉っぱを食用にしたことないから、
どんなカンジになるのか、不明。試してみる気もなし。
ともかく葉っぱが厚く変形したら、
できれば白い粉が付く前に切って、処分(焼却)したほうが良いと思う。
切り取れば一安心だけど、念のため、消毒をする。
シロウトさんなら、タケダの「ダコニール」なんかがいいと思う。

アンジェラから数日後、今度は私が横浜の牧野造園さんのレイコさんと、
東京の「エコ・グリーンテック」に視察(息抜き、ともいう)に行った。
各社の屋上緑化の技術にコシを抜かし、セダムという植物の活躍に驚き、
我が町での屋上緑化の意味について、ハテナ?し、ひとかかえのパンフをもらい、
「いろんなものを見てきたぞ」という自信ありげな職人になって帰ってきた。
(な〜にを、オーバーな!)
ただ一つ気がかりなのは、将来都会がセダムだらけになり、
他の植物がイジケて育たなくなり、人間はセダムアレルギーに悩まされるのではないか、
という椎名誠のアドバードのような光景が浮かぶ事だ。
ま、ともかく、いろんな人に会い、いろんなモノを見ることは、
植物の薬剤散布みたいなもので、きれいな花を咲かせるために必要なことなのだ。
・・と、無理矢理結び付けて、月末をさわやかに迎えることにしよう。