11月?日/アブラムシとカビ
切った枝を抱えるように運ぶ。
ダンプの荷台にヨッコラショと載せる。
今、うちのダンプは、「低床」だから、
載せるにはやや都合が良いのだ。
自分がひょいと乗る時も足の長さに合っている。
「うん?」視線を下げたら、
自分の服が黒紫色の斑点だらけではないか・・。
おかしいなぁ。実はついてないし、血でもないし。
???と、作業を続けて、やっと気が付いた。
クリの木についた「アブラムシ」だった。
黒くて、でかい。
枝にゾロゾロ並んでいる。
服にすれてつぶされたムシの「血」がついたのか!
キャーッなんて、言わない。
花や木には被害があるものの人を刺したり、噛みついたりしないし、
形がわかりやすいから気味悪さがあまりない。
バラなどの花につく緑色の「アブラムシ」や、
キョウチクトウなどの葉につく黄色の「アブラムシ」とは人相がちと違う。
汁液を吸うという仕事は共通だが、
ターゲットによって姿が全く違うのだな、と、唸る。う〜む。
庭のかたすみの「収穫のスペース」のクリとカキは、
剪定後の様子は「アブラムシ」の姿は見えないので、
来春の様子でスミチオンをまくことにする。
テントウ虫がアブラムシを食べちゃう話はよく聞くが、
こんなドでかいのを食べるテントウ虫はいるかしら・・
これも生物農薬ってことかなぁ・・ブツブツ・・
♪カダン、カダン、カダン、オハナヲタイセツニ・・・
なんていつものようにひとり連想ゲームをしながら、家路に。
そしてやっと訪れた夜のくつろぎタイムに、
15時間前に配達された朝刊をひろげたら、
「アブラムシ退治にカビ威力」という見出しがあるではないか。
こういう偶然は、ワクワクする。
大手商社トーメンから売り出された生物農薬・微生物殺虫剤の話題だった。
「バータレック」という商品で、
微生物はバーティシウム・レニカというカビで糸状菌の一種。
カビの胞子がアブラムシの皮膚に付くと発芽し、
菌糸を伸ばして内部に侵入し体内の栄養分を吸収してしまうそうだ。
そして、アブラムシは3〜4日で感染死亡してしまう。
アブラムシの退治は化学農薬が必要だったから、
農家の人達には朗報だろうなぁ。
生物農薬も化学農薬も「農薬取締法」で規制されているらしいが、
化学農薬を使わなければ、どうやら「無農薬栽培」になるらしい。
ややこしいな。
このバーティシウム・レニカという微生物は、
あのオオアブラムシの黒紫色の栄養を吸ってしまうのかなぁ。
試してみたいけど、
植木屋さんはスミチオンの方がむいているかもね。
う〜ん。課題だ。
11月?日/2000年残りわずか
年間管理の最終段階に入る。
最後の芝刈り、除草、高木類の剪定など、
サッパリしたお庭で新年を迎える準備が始まった。
ある別荘の仕上げで、側溝に溜まった落ち葉を掻き出していたら、
キャッ、落ち葉の中にながいものを発見。
まだ少年(少女?)のヘビだ。
「暖かいからここにしようっと」と眠りに入ったらしい。
ここでTOMI登場。
鋸の背にヘビをバランス良く載せて、隣の空き地へ移動させた。
役に立つ。
(「ああ、この子を産んでよかった。」と実感する瞬間。)
移動させながら、寝ぼけているヘビに何やら語り掛けている。
誰に似たのか。
今年はいつまでも暑かったし、雨の多い秋だったし、
自然界でも戸惑っているもの達が多いだろうな。
いつ眠りに入ろうか、いつ芽を出そうか、いつ葉を落とそうか・・。
人間社会も景気の回復が遅くて、戸惑っているヒトが多いのだよ。
自然界も大変だろうが、お互いがんばろうねぇ。
当地はリゾート地ゆえ、広い庭を持つ企業の保養所が多い。
「保養所の閉鎖」なんて言葉は今まで無縁だったが、
ここ数年でその言葉にご縁ができてしまった。
不況→経営の見直し→経費の削減→福利厚生費の削減→保養所の閉鎖。
という筋書き。とほほ。
例年のこの時期、他の植木屋さんに助っ人にお願いしたり、
とにかく大騒ぎなのだが、今年は助っ人は必要ないかも・・・。
こんな事書くと、親方に叱られるかな。
でも、ハッタリ言えないもんなぁ。
それでも閉鎖せずにいる保養所や個人のお宅でお仕事をさせて頂いて、
のんびりペースながら、感謝の日々。
ところで「こそくり」という標準語はあるのかな。
伊豆地方だけかしら。(我が家だけだったら、こわっ。)
「小さな修繕のような仕事」のこと。
このところ、この「こそくり」が次々入り、小刻みに動いている。
これはとても、かなり、非常に有り難いことだ。
灯油のタンクを置く場所を確保するため、
木を1本移植し、石段を2段崩しスロープにして、
基礎にコンクリートをうち、・・。
とか、
玄関前の芝をはがし、飛び石を据え、周囲にスコリアを敷き・・。
とか、
少し手をいれれば、使いかっての良い外回りにへ〜んしん。
というわけ。
☆CM☆「こそくり」は随時、いつでも受け付けます。
速い。安い。仕上げはきれい。
何なりとお申しつけ下さい。 m(__)m
いつもより、のんびりペースとはいえ、
2000年は残りわずか。
平和で静かなお正月をイメージして、
さあっ、気合をいれましょうかね。
11月?日/ヒイラギの花と鼻
手入れ仕事が続く。
∴左ひじの関節炎がひどくなる。
「テニスエルボー」と同じ症状。(「テイレエルボー」)
どうせなら、テニスが原因なら良かったな。
な〜んでや?べつに理由なし。ちょっとした見栄もどき。
「もどき」といえば、木の名前によく使われているなぁ。
今日のお庭では、「ウメモドキ」があったな。
「モチノキ」の仲間なのに「ウメ」の花に似てるからそんんな名前。
今、真っ赤な実が寂しい秋を飾っている。けなげなヤツ。
お庭のすみっこの方に、1mほどのヒイラギがあった。
丸い形に仕立ててある。
刈り込もうとしたけど、トビだけチョンチョン切る。
小さな白い花が可愛らしい。
あまり匂いがしないので、顔を近づけた。
嗅覚が衰えたかな??と、さらに、近づけた。
イテッ。(声には出さず。)
ついに鼻が・・・。
あっ、こんなことで時間を使ってはいけない。
まだまだ巨大なマキの生け垣が私を待っている。
と、鼻を気にしながら脚立を担いで移動。
ヒイラギといえばクリスマスの赤い実とギザギザの緑の葉を思い出す。
でも、あれは、別名「ホリー」という「モチノキ」の仲間。
本名は「アメリカヒイラギ」と言って、
花は初夏にちょこっと咲いて、冬に実をつける。
そして、「ヒイラギモドキ」というのが中国の「ホリー」のこと。
私の鼻をつついたのは、「モクセイ」の仲間の「柊」。
「魔除け」として「鬼門」に植えることもあるらしいけど、
今流行の「風水」だとどうなんだろう・・。
同じ仲間の「ヒイラギモクセイ」の方が匂いは強い。
悪魔は匂いとトゲに驚いて逃げちゃうのかなぁ。
そして、日陰に強いから北向きの玄関先などによく植えられるのが、
「ヒイラギナンテン」で、こちらは「ナンテン」「メギ」の仲間。
10月頃黄色の花を咲かせ、2月頃ブドウのような実をつける。
かわいいってかんじの木じゃないけれど黄色い花はまぁまぁかな。
うちの池の横に植えてある。
ギザギザの攻撃的な葉っぱだと
「○○ヒイラギ」「ヒイラギ○○」となるわけか・・。
で、○○に似ていると「○○モドキ」と・・。
単純でいいなぁ。
今流行のイングリッシュガーデンに使われる草花は、
なにやら舌をかみそうなもったいぶったのが多いもんなぁ。
手入れが終わり、仕上げの掃除でホヨ〜ンと良い匂い。
ツワブキの黄色い花から。
鼻で季節を確かめるのもいいものだねぇ。